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ご褒美はキミ
第8章 欲しいのはキミ ①
背もたれを倒せない代わりに、ソファの足元にオットマンが繋げてられていった。
そうして出来たダブルベッドくらいの空間に、充輝先輩がそっと私を下ろしてくれる。


「居眠りなんだから、目を閉じろよ?」

言われて、ゆっくりとまぶたを下ろした。
けれど充輝先輩の体が離れていく感覚に、慌てて眼を開けて首に腕を絡めなおす。

「っ……何?」

「だって……」

言葉に詰まって、さらに強く抱きついた。

ずっと先輩たちと触れ合っていた。
いつも誰かが私を抱きしめて支えてくれた。

だから、充輝先輩が離れていって一人になるのだと思うと、急に心細くなって不安になってしまったのだ。


「寂しい?」

言われて素直に頷いた。
充輝先輩は嬉しそうに眉を潜めて笑うと、私の頭を掴んで深いキスをした。
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