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ご褒美はキミ
第10章 エピローグ
入ってきたのは高志先輩だった。
潤った肌を全部晒して、濡れた髪をタオルで拭いている。

「大丈夫っ?」

床にしゃがんだ私を見つけて、慌てて駆けよってきてくれた。
それは嬉しいのだけれど……


はだかっ!


血液が一気に全身を巡って顔を逸らすと、高志先輩は小さく声を漏らしてタオルを腰に巻いてくれた。

「ごめん」
「いえ……」

いろいろと恥ずかしくて、顔を上げるとか、ましてや高志先輩を見ることができない。


「大丈夫?」

「……はい」

「体も…ツラくない?」

「……っ」

俯いたまま、言葉を詰まらせた。


ツラくないって、つまり……そういう意味だよね……っ?


「……顔も、見たくない?」


……えっ?


「嫌いになった?」


……嫌い?

な…んで……?
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