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ご褒美はキミ
第2章 お弁当の代わりに
「客間ならあるよ」

ほんの少しだけ残っていた不安は、高志先輩のその一言で消え去った。

「客間、使わせてもらいますね」

「じゃあ、決まりだな」
「たくさん楽しもうなっ」

充輝先輩も豊先輩も喜んでくれた。

「はいっ」

嬉しくて胸がいっぱいになっていた。“ご褒美”はやっぱり正解だったのだ。

「あっ、その時にメイド服着てよ。それが俺の一つ目のお願い」

豊先輩がキラキラと瞳を輝かせた。

「メイド服……?」
「ほら、高校の文化祭で着たって言ってたじゃん。どんなのか、見てみたかったんだ」

文化祭のことを話したのは覚えているけれど、確かあの服は……

「ホツレがひどくて、捨てました」

「……えっ?」

豊先輩は固まってしまった。

「ごめんなさい……」
「じゃ、じゃあ、買うから着て!それ見て、高校ん時の真帆を想像するからっ!」
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