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ご褒美はキミ
第2章 お弁当の代わりに
勢いに押されて頷くと、豊先輩はぱあっと花が咲いたみたいに喜んだ。

なんでそんなに見たいんだろ……。

「充輝は?」

不思議に思っている横で、高志先輩が尋ねる。

「うーん、部屋で言うよ。
その前にお弁当食べないとな。腹減ったせいで使いものにならなかったら、優勝出来てもご褒美はもらえないだろ」
「それもそうだな。真帆も食べよ?」

二人は小躍りし始めた豊先輩に背中を向けた。

「そこだと埃が舞うから、こっちに座って」

高志先輩が私の手を取って、豊先輩から離れた所に座らせてくれる。

「あの、」

振り返ろうとしたら、充輝先輩が両手で私の頬を包み込んだ。

「けがれるから、見ちゃいけません」

「……はい」

充輝先輩はにっこりと微笑んで、私の額にキスを落とした。
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