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ご褒美はキミ
第3章 そして始まる
試合は危なげなく点を重ねて、先輩たちのチームが優勝した。

堅実にシュートを繰り返して、相手チームの追随を許さなかった高志先輩。
相手チームに主導権を握らせなかった豊先輩。
連続ゴールで勝利を確実なものにした充輝先輩。
―――誰か一人でも欠けていたなら、試合はもっと違う結果になっていたと思う。

だからこそ、先輩たちは優勝の立役者として祝賀会の中心にいた。
先輩たちの周りには常にたくさんの人たちがいて、私は近づくことも出来ない。


遠い……な。


先輩たちの笑顔はいつも、私を幸せな気持ちにさせてくれる。
けれど今だけは、その笑顔がツラかった。


後でゆっくり会える、から……


そう思うのだけれど、寂しいものは寂しい。
早く高志先輩の部屋に行きたかった。
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