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ご褒美はキミ
第3章 そして始まる
高志先輩について行った先には、広大なイングリッシュガーデンの中にそびえ立つタワーマンションがあった。
リビングは二面がガラス張りになっていて、宝石箱をひっくり返したような街並みが眼下に広がっている。

先輩たちがハイソなのは知っていたけれど、こんな場所で一人暮らしができるくらいだとは思っていなかった。
そう話すと、

「親のお金だよ」

高志先輩は恥ずかしそうに俯いた。


「……いい匂いがする」

紙袋を渡したら高志先輩に少し驚かれた。

「作ってきました」
「えっ、そんな時間あったの?すごいね、ありがとう。いくらだった?」


材料費を聞かれて慌てて首を振る。
いつも作っているお弁当は先輩たちが材料費を出しているけれど、今回はそういうわけにはいかない。
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