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ご褒美はキミ
第3章 そして始まる
白桃の香りがするリキュールは、先輩たちには甘くて物足りない。
それが高志先輩の冷蔵庫に入っていたのは、私の“一緒に楽しみたい”を叶えるため。

もしかして充輝先輩の寄りたいところって、これのことだったのかな……?
それとも、もっと前から冷蔵庫に入っていた?

嬉しくてにやけてしまう顔を隠すために、再びグラスに口をつけた。

「カッコイイかぁ」

豊先輩が、私が作った唐揚げを口に放り込んだ。
うまいっ!なんて言いながら、もう一度「カッコイイかぁ……」と繰り返す。

「ヤバイッ、メイド服と同じくらい嬉しい」
「同じかよ」

充輝先輩のツッコミに、豊先輩は鼻息荒く詰め寄ってくる。

「俺のためにメイド服を着る真帆。俺をカッコイイって言う真帆。どっちがいいかなんて選べない。
それが、メイド服でカッコイイって……もう襲っちゃっていい?」
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