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ご褒美はキミ
第3章 そして始まる
「ダメだろ」

充輝先輩は庇うように私を抱きしめて、豊先輩を足蹴にした。
胸が充輝先輩の腕に潰されて、下腹部に回された手にお腹の奥が疼く。

「豊がカッコイイんじゃなくて、俺達がカッコイイの。つーか、豊は転んでバスパンに穴開けただろ?カッコイイかあ?」

抱きしめる充輝先輩の動きに躊躇いはなくて、深い意味があるようには思えなかった。


意識している私が変なのかな……


「それを言うなら、高志はブッシングしてたじゃないか」

「あれはたまたま……つーか、穴は開けてない。そんな見苦しいとこ真帆に見せてない」

あまりにも先輩たちが平然と話しているから、私もそうしなきゃいけない気がした。

必死になって冷静になろうとするけれど、上手くいかない。

やがて話は試合の中身へと移っていった。
その間ずっと、両手を強く握りしめていた。
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