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ご褒美はキミ
第4章 絶対に従うこと
「真帆、カワイイ……」

豊先輩は頬杖をつくと、目を細めて私を見つめた。
完全に酔ってしまっているみたい。

それを笑いながら、高志先輩がサイコロを振る。駒は5マス進んで止まった。


“電車に乗り遅れる
(ただの1回休み)”


「ただのって、何か負けた気がするな」

「代わってやろうか?」

寝転ぶのに飽きてきた豊先輩の申し出を、高志先輩は丁重に断った。

次は豊先輩を飛ばして充輝先輩。
駒は何も書いていない、小さなマスで止まる。

私の番になって、一口だけパンをかじってからサイコロを振った。

駒を3マス進めてシールを剥がし……


「えっ……」

「ヤッタァ!」


固まった私の横で、豊先輩が歓声を上げる。
充輝先輩は嬉々として、紙袋の中を漁り始めた。
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