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ご褒美はキミ
第4章 絶対に従うこと
最初は変わった双六だと思った。
けれど、始めてみると特に目新しいものがあるわけじゃなくて……

そう思っていたのに、


“満員電車で痴漢に遭う
(サイコロをふって出た目の数×1分間 みんなから体を触られる)”


先輩たちから、痴漢みたいなことされるの……?

「あ、あの……」

助けを求めて高志先輩を見た。

「大丈夫だよ、触るだけだから」

「でも……」

体が震えた。
渡されたサイコロを握る手に力がこもる。

「俺達に触られるの、本当はイヤだった?ごめん、気づかなくて……」

豊先輩が傷ついたように呟いた。

「そんなことないですっ」

咄嗟に否定していた。

私の躊躇いが豊先輩を傷つけている。
そう思うだけで、胸が苦しい。

「イヤなんて、思ったことないです」
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