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ご褒美はキミ
第4章 絶対に従うこと
この部屋に来た時に、高志先輩にキスされそうになったのを思い出した。
唇に、熱い息の感触がよみがえる。


……される…の?


緊張で返事ができなかった。

何も言えないまま見つめていると、高志先輩の顔がゆっくりと近づいてきた。
獲物に襲いかかるような、獰猛な光が高志先輩の瞳に宿る。その瞳に囚われて、息を飲み込んだ。
逃げられなかった。

食らいつくように口が薄く開かれた。
けれど触れてきたそれは柔らかくて、優しく私の下唇を噛むと軽く吸い上げて離れていった。

最後にチロリと舐めて。

「…………っ!」

慌てて口を押さえて後退りした。全身が湯立っていく。
高志先輩は、ははっと照れくさそうに笑った。

「いいないいなぁ、真帆とキス。俺もしてぇ!」

豊先輩はユラユラと体を揺らして、サイコロを掴んだ。
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