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ご褒美はキミ
第5章 脱いでいく
「もっと離れてもいいよ、」

豊先輩の申し出にホッとしたのは、一瞬だけ。

「後で俺が確かめるから」
「い、いいですっ」

慌てて首を振って先輩たちに背中を向けた。


覚悟なんて、まだできていない。
でも、やらないと……。

唇を噛んで、充輝先輩が外したボタンに触れた。


恥ずかしくて逃げたい気持ちと、脱がなきゃいけない気持ちがせめぎ合っ、頭がグラグラする。
自分の心臓の音だけが耳鳴りのように響いていた。


明日になったら、先輩たちが忘れてますように――――。


震える手でブラジャーのホックを外して、肩ヒモをずらす。それから、ブラウスのボタンをあとひとつだけ外した。

深く息を吸い込んで、襟元から手を入れてブラジャーを掴む。


このやり方なら、ブラウスを脱がなくて済む。
それでも、緊張で体が強張った。
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