この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狼に囚われた姫君の閨房録
第35章 総司と左之助の死

【第三者視点】
「おまえ、何しに……」
左之助が呆然とした。今にも夜風に倒れそうな総司がいた。
傍には、総司に肩を貸して腰を支えている少女。薄闇の中で、凛とした顔つきが映えていた。
すみれだ!
「何で、すみれまで!相馬や野村と一緒じゃなかったのか?」
「ご存知ということは、どこかで見ていたのですね」
目を丸くする新八に、すみれはクスッと笑った。
「主計くんと利三郎くんは私を総司兄上さまの元に送り届け、新選組を追いました。死に損ないたくないと」
「死地に赴く戦士だよね。幕府が負けるとは決まって……あ、決まったようなものか」
総司が含み笑いをした。やや咳き込み、背中を丸める。
「お父さんの首を盗むなら、僕たちも協力するよ」
「何、冗談言ってんだ?おまえは刀を振れる状態じゃ……!」
「死にてえのか?」
口々にいう左之助と新八だったが、
「どのみち、助からないよ。せめて、死に花を飾らせてくれないかな?恥ずかしくない働きをしてみせるから」
総司は軽く手を振った。
総司は顔面蒼白。立っているのも、やっとのようだ。
なのに、戦いたいと言う。武士として、どうしてダメだと言えようか?
「わかった」
ややあって、左之助が呟いた。
「先陣は俺と新八が切る。すみれは総司の護衛に回れ!絶対、無理するんじゃねえぞ」
「おまえ、何しに……」
左之助が呆然とした。今にも夜風に倒れそうな総司がいた。
傍には、総司に肩を貸して腰を支えている少女。薄闇の中で、凛とした顔つきが映えていた。
すみれだ!
「何で、すみれまで!相馬や野村と一緒じゃなかったのか?」
「ご存知ということは、どこかで見ていたのですね」
目を丸くする新八に、すみれはクスッと笑った。
「主計くんと利三郎くんは私を総司兄上さまの元に送り届け、新選組を追いました。死に損ないたくないと」
「死地に赴く戦士だよね。幕府が負けるとは決まって……あ、決まったようなものか」
総司が含み笑いをした。やや咳き込み、背中を丸める。
「お父さんの首を盗むなら、僕たちも協力するよ」
「何、冗談言ってんだ?おまえは刀を振れる状態じゃ……!」
「死にてえのか?」
口々にいう左之助と新八だったが、
「どのみち、助からないよ。せめて、死に花を飾らせてくれないかな?恥ずかしくない働きをしてみせるから」
総司は軽く手を振った。
総司は顔面蒼白。立っているのも、やっとのようだ。
なのに、戦いたいと言う。武士として、どうしてダメだと言えようか?
「わかった」
ややあって、左之助が呟いた。
「先陣は俺と新八が切る。すみれは総司の護衛に回れ!絶対、無理するんじゃねえぞ」

