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狼に囚われた姫君の閨房録
第10章 芹沢鴨の放火事件
八月になった。
空はどこまでも蒼く、入道雲が浮かんでいた。夏の陽射しは地面をジリジリと灼く。
普段、屋根裏部屋は風が通らなくて蒸し暑いが、今日は気にならない。
壬生寺の境内に作られた土俵で、力士達が戦っているからだ。
(盛り上がってる……)
屋根裏部屋の腰高の窓から、壬生寺の境内がよく見えた。
木から木にかかる提灯。屋台まで出ている。取り組みを見ながら、見物客たちは飲み食いを楽しんでいた。
「こんなところにいたのか」
いきなり、声がした。隠し階段を登らなければ、屋根裏には来れない。
(何者っ?)
身構えた私の前に、容保様が現れた。
「お前と一緒に相撲見物をしたくてな」
「これは……いらせられませ」
私は三つ指をついて迎えた。私を見下ろす容保様の瞳が揺れた。
「大老の姫が座敷牢などで……不憫なことだ。なあ、すみれ。俺の側室にならぬか? さすれば、直ちにここから出られよう」
顔に動揺が現れるのが、自分でもわかった。三つ指をついたまま、私は首を振った。
「お許しくださいませ。私は新選組に捧げた体……容保様のお部屋さまにはなれませぬ」
「俺よりも新選組を選ぶか。妬けるな」
苦笑しながら、容保様は私に唇を近づける。私は目を閉じて口づけを受けた。
「はあっ……あんっ」
容保様は角度を変えて、繰り返し接吻をする。舌が絡み合い、激しく舌を吸われる。
容保様の手が腰に回り、私は強く抱擁された。
「……あ」
お尻を鷲掴みにされ、私は声を漏らした。前後から串刺しにされたことを思い出したのだ。
「いい尻だ。揉みがいもあるし、土方たちに可愛がられてるようだな」
「仰せにならないで……」
私は布団の上に寝かされた。胸元があらわにされる。
乳房にむしゃぶりつく容保様。乳房を吸い立て、両手で愛撫する。
「う……や……ぁ……」
容保様は私の腰巻きを捲り上げた。太ももに舌を這わせ、私の柔肌を愉しむ。
声をあげまいと堪える私。容保様は足の間に顔を埋め、女の丘を食む。
「……ひゃっ」
恥丘を口で愛しながら、中指を曲げて数の子天井を撫で上げる。膣壁が容保様の指を締め付けた。
「ううっ!らめぇ!!」
「いい反応だ。調教の成果だな」
容保様はそそり立ったものを泉に押し込んだ。えぐるような勢い!
「ううっ!」
私は容保様のそれを優しく咥え込んだ。私の中はドロドロに溶けて、容保様を吸い込む。



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