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息子の柔道教室の先生
第1章 息子の柔道教室の先生
「吉田先生は有給の消化で、今日は何を?」

「エッ…エット…自分は今から昼メシ食って…あとはてきとうにブラブラして帰ろうかと」

「誰かと約束なんかは?」

「まっさか…ツレはみんな仕事ですし…ボッチっすよ、ボッチ」

「そーなんですか。じゃあもしよかったらウチに来ません?」

「……えっ?!」



 吉田先生は目をまんまるく見開きました。
 いきなり何言ってんだコイツ?って思ったんでしょうね。

 もしくは、変な想像でもシチャッタのかな…?

 私は噴き出して笑い、慌てて訂正しました。



「違うんですよ、主人が取引先から、たっくさん牛タンを頂いたんですけどね?
 主人は牛タンが苦手なもので…子どもたちも食べないから困っちゃって…
 もし吉田先生、牛タンお好きでしたら、いつもお世話になってるお礼に、もらっていただけませんか?」


 

 私は正直、断られると思いました。
 ですが、吉田先生は言いました。



「エッ…いいンすか?」



 拍子抜けしちゃいました。
 まさかこんなにアッサリ、吉田先生が我が家に来ることになるなんて。








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