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あなたがそれを望むなら
第4章 その手の中
とりあえず、俺と松野さんは場所を移動した。
今から二人で話す内容はとてもじゃないが誰にも聞かせられない。
誰かに聞かれたら一発でアウトだ。

移動したのは、人通りの少ない一階の廊下。
時間的にのんびり話してる暇はないがすぐに終わらせられる内容でもない。

混雑するロビーから少し離れた廊下。
朝の慌ただしい雰囲気が遠くに思えた。




「さ、昨夜の事、ですけど…」
「うん」
「どういうつもり、なんですか…?」

俺と目を合わせない松野さん。
でもその目は真っ赤に腫れていた。
昨夜、俺が帰ったあとも泣いていたということがよくわかる。

こんな時でさえ俺は松野さんに見とれてる。

「佐伯さん…?」
「え?あ…」

松野さんに見とれてて、松野さんの話し声すら聞き流していた。
やべ…、重症だな。

「あ…、昨夜の事は…」





言ってしまいたかった。
自分勝手なこの気持ちを伝えてしまいたかった。
でももし、俺が松野さんを好きだと言ったら、松野さんはどうする?

嫌われるのは目に見えてる。
松野さんの気持ちも聞かずあんな事をしてしまって…、軽蔑されるに決まってる。

「べ、別に、あれは…」
「"別に"?別にって何なんですか…っ?」
「あ、いや…」

不意に零れてしまったその言葉。
松野さんからすれば別にで片付けられたくないよな。
松野さんの声色が少し荒くなったのを感じた。

「あんな…、酷いこと…」

全くその通りだよ。
今、松野さんを目の前にして、ようやく自分のした事の大変さを自覚してるんだから。




でももう…、後戻りなんかしたくない。
最低な男に成り下がっても、松野さんを手放したくない。






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