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崩口川(くえくちがわ)
第1章 崩口川(くえくちがわ)
「おい…どうしたのだ…」

電話の前に座り込んでしまったちえりの母親に対して、父親は声をかけた。

ちえりの母親は、しくしく泣きながら父親にキュウジョウを説明した。

「あなた…ちえりが…風俗店に監禁されて…男たちから暴力をふるわれてしまったみたいなの…」
「なんだと!!」

ちえりが岡山市内のキャバクラ店の事務所に監禁されていることを聞いたちえりの父親は『今からケーサツに電話する!!』と激怒したあと、ケーサツに電話をしようとしていた。

しかし、母親はケーサツに電話をしようとしていた父親を止めた。

「あなた…」
「なにをしているのだ!!どきなさい!!」
「ケーサツ…ケーサツはやめて!!」
「やかましい!!ちえりが監禁された上に暴力をふるわれたのだぞ!!ケーサツに電話して、救助を頼むから、電話をかけさせろ!!」

ちえりの母親は『電話するのだったら城ノ井の家に電話をしてよ…』と泣きながらコンガンしていた。

ちえりの母親は、のりおの知人にヤクザの組長がいるので『ヤクザの組長にお願いしてよ…』と父親に言うてから、のりおの家に電話してほしいとお願いした。

母親からそのように言われた父親はチッと舌打ちしてから、のりおの家に電話をした。

電話をし終えた後、ちえりの父親は奈美の婚約者の男性に対して『ちえりを助けるために奈美と別れてくれ…』と泣きそうな声でコンガンしていた。

それを聞いた婚約者の男性は、強烈な声で泣き叫んでいた。
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