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第1章 崩口川（くえくちがわ）

「奈美…奈美ってば…」
「くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…」
「奈美、あんたね、泣いてばかりいたらなにを伝えようとしているのかが分からないでしょ…」
「くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…あのね…くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…」
「奈美…一体なにがあったと言うのよ…」
「くすんくすんくすん…」
「奈美…あんたね…32の女がビービービービー泣いてばかりいたらおかしいでしょ!!」
「泣きたいわよ…くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…」
「困ったわね…あんた、そなな気持ちでカレと結婚生活なんか送れないでしょ!!クリスマスイブの日に最高の挙式披露宴を挙げるのでしょ!!あんたね!!気持ちを切り替えて、顔を洗ってカレのところへ会いに行ったらどうなのよ!!」

友人がますます怒った声で奈美に言うたので、奈美は『人にお説教をするな!!』と怒鳴ったあと、再びくすんくすんと泣き出した。

友人は、改めて奈美に一体なにがあったのかをたずねてみた。