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崩口川(くえくちがわ)
第1章 崩口川(くえくちがわ)


時は、7月23日の午後1時過ぎのことであった。

場所は、西条市大町の酒場街の中にあるカッポウ料亭にて…

奈美は、おじ夫婦と一緒にのりひことお見合いをする場所へ車に乗って行った。

奈美とおじ夫婦が料亭に到着してから40分後に、のりひこが職場の上司夫婦と一緒に料亭の奥座敷にやってきた。

本来であれば、のりおと華永(はなえ)がお見合いに行くことになっていたが、のりおは四国地区の警察署の署長さんたちの会合のために高松にいる…華永は、のりひでが通っている就労施設の懇談会に行っているのでお見合いに行かなかった。

奈美のおじ夫婦は『ご両親の都合だから仕方ないと言うて理解していた。

のりひこの上司夫婦は、奈美のおじ夫婦から理解をいただいたのでお見合いを始めることにした。

その頃、のりおと華永は高須にあるのりひでが勤務していた就労施設へ行っていた。

のりひでは、職員からサイフを拾って所有者の男性に届けたあと、男性のサイフにイソンしてしまったあげくに男性の家にイソウロウしてしまったことと勤務態度が悪いので、永久追放されていた。

就労施設の職員さんは、のりおと華永にあつかましい声でこう言うた。

「のりひでに就労はむりですよ…あんたらが甘やかすだけ甘やかしていたからのりひではダメになったんや…セイアイエン(重信にある施設)へ帰った方がええんとちゃいまっか?」

その後、受話器をあげてのりひでがかつて利用していた福祉施設へ電話をした。

「もしもし、セイアイエンさん…おたくへ城ノ井のりひでを送り返すけん、部屋あけといてくれまっか…もううちではメンドーみれんけん…ほな、そう言うことで明日からよろしく~」

のりおと華永は、イスをけとばしてしまった後、施設から出て行った。
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