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第1章 崩口川（くえくちがわ）

城ノ井の家がそのようになった元凶は、のりおと華永が再婚をした時にあった。

のりおの前妻は、のりおの暴力が原因で死亡した。

華永は、小さい部落の庄屋の家の娘であった。

庄屋の主人が知人の知人のそのまた知人であった東京都議会議員のコネを利用して、カネを借りたが、借りすぎて返済不能におちいった。

のりおは、華永の父親のしりぬぐいのために仕方なくお見合いをして結婚した。

のりおは、華永のだらけた性格とのりひでがところ構わずにペラペラとしゃべり出したらとまらない性格であることがウザいけん、前妻の連れ子・のりひこに対してのりひでの悪口を言いまくっていた。

そのうえで『お前はアイコー(中高一貫進学校)へ進学して、超一流の大学へ進学して、超一流の仕事についてエライ人間になれ!!』とエリートコースを強要した。

のりひこは、のりおの命令通りにアイコー(学園)に進学して、のりおの思うとおりに６年間トップの成績を維持した。

トーダイへ進学する子は、異性とチャラチャラすることも遊びに行くことも一切禁止だ…

のりひこは、超一流の人生を歩んでほしい…

のりひこは、父親から厳しい要求を突きつけられながらも必死になって勉強をしていた。

父親の思いに答える形でトーダイを卒業したけど、超一流企業に就職することはできなかった。

結局、のりおの知人のつてで市役所に就職した。

契約職員で、低賃金…

オレはなんで、こんな劣悪な職場に就職したのであろうか…

人をバカにしているのか…

ふざけるな!!

のりひこの心の中にチクセキされている怒りが今にも噴き出そうになっていた。

そういうことで、家庭内はきわめて危険な状態におちいっていた。