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メサイアの灯火
第8章 掛け算と冒険と
だけど好奇心から少しだけ山道に入ったところで二人は迷ってしまった、ここの山々は本当に深くて険しくて、うっかり足を滑らせれば下まで真っ逆さまな場所も幾つもあった。
巨大な木々が鬱蒼と生い茂っていた挙げ句に場所によっては磁界が働いていたらしく方向感覚が狂わされ、徐々に山の上へ上へと追いやられてしまったのだ。
「大丈夫、きっと帰れるから!!」
「うん・・・」
不安げな蒼太の手前もあって、最初こそ無理して明るく振る舞っていたメリアリアだったが徐々に自身も怖さの方が上回って来てしまう。
「ごめんね、ごめん。私のせいで・・・」
「大丈夫だって、さあ行こう!!」
申し訳なさと心細さから遂にはそう言って泣き崩れてしまったメリアリアの手を取って、途中からは蒼太が先頭に立って歩き出した、とは言っても彼はただガムシャラに歩き回っていた訳ではない。
既に父親達から自然の中でのサバイバルの知識や心構えを授けられていた彼は、それらをちゃんと活かして周囲に気を配りながら歩を進めて行ったのだ。
木々の葉のしげり具合や隙間から差し込む太陽の光等から方位を計算して少しずつ少しずつ、南へ向けて歩いたのである。
「いま、どれくらい歩いたかな」
「・・・多分、100メートルも来てないよ」
途中でメリアリアに話し掛けると彼女もちゃんと応えてくれた。
「あそこに生えている、あの大きな杉の木。見た感じだけど相当な樹齢があると思うの、高さも20メートルは行ってるわ。と言うことは地形とか高低差を考えれば、あれが見えなくなれば100メートル近くは進んだ事になるもの」
「そっか」
そうやって二人で協力しつつ南へ南へと歩いていた少年と少女は、結果何とか日のある内に山林を脱出する事が出来た、少し遅くなってしまったが無事にペンションに辿り着く事が出来たのだ。
巨大な木々が鬱蒼と生い茂っていた挙げ句に場所によっては磁界が働いていたらしく方向感覚が狂わされ、徐々に山の上へ上へと追いやられてしまったのだ。
「大丈夫、きっと帰れるから!!」
「うん・・・」
不安げな蒼太の手前もあって、最初こそ無理して明るく振る舞っていたメリアリアだったが徐々に自身も怖さの方が上回って来てしまう。
「ごめんね、ごめん。私のせいで・・・」
「大丈夫だって、さあ行こう!!」
申し訳なさと心細さから遂にはそう言って泣き崩れてしまったメリアリアの手を取って、途中からは蒼太が先頭に立って歩き出した、とは言っても彼はただガムシャラに歩き回っていた訳ではない。
既に父親達から自然の中でのサバイバルの知識や心構えを授けられていた彼は、それらをちゃんと活かして周囲に気を配りながら歩を進めて行ったのだ。
木々の葉のしげり具合や隙間から差し込む太陽の光等から方位を計算して少しずつ少しずつ、南へ向けて歩いたのである。
「いま、どれくらい歩いたかな」
「・・・多分、100メートルも来てないよ」
途中でメリアリアに話し掛けると彼女もちゃんと応えてくれた。
「あそこに生えている、あの大きな杉の木。見た感じだけど相当な樹齢があると思うの、高さも20メートルは行ってるわ。と言うことは地形とか高低差を考えれば、あれが見えなくなれば100メートル近くは進んだ事になるもの」
「そっか」
そうやって二人で協力しつつ南へ南へと歩いていた少年と少女は、結果何とか日のある内に山林を脱出する事が出来た、少し遅くなってしまったが無事にペンションに辿り着く事が出来たのだ。