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メサイアの灯火
第2章 伝説の大和民族
この時、王は北の土地に現れると言う異形を封印するために町にはおらず、彼に仕える剣士剣豪も、また宮廷魔術師達も主立った者達は共に旅立って出払ってしまっており、残っていたのはまだ未熟な見習い修士ばかりであった。
ろくに技術の無い彼等では手の施しようも無く、人々の手にあった一番の武器である火矢や火薬を持ってしても悪逆の王を食い止める事は出来なかった。
それどころか折からの季節風に煽られてあちらこちらから火の手があがり、拡大した火災は余計に人々を危難に追いやっただけだったのだ。
「こっちの武器じゃ歯が立たない!!」
「くそっ!!」
「もうダメだ、お終いだ」
萎える心を奮い立たせつつ、それでも必死の防戦を繰り広げていた兵士達がいよいよ絶望し掛けたその時。
奇跡が起きた。
「グオォォォォォォォォッッ!!!!!?」
「なんだ、あれは・・・!?」
「光の、柱・・・?」
兵士達はおろか、それまで逃げ惑っていた人々すらも足を止めて見入ってしまうがバフォメットを円の中心に置くようにして町の外側に黄金色に輝く巨大な光の柱が何本も出現していたのだ。
“それ”はしだいに狭まってゆき、やがてバフォメットを捉えたかと思うと一気に窄まり、次の瞬間。
轟音と共に弾け飛んだ、その途端昼間のような明るさが町を照らし、人々を覆い尽くすがそれが収まった時ー。
そこに悪逆の獣の姿はなかった、火災も鎮火していた、天空には月が顔を見せており静寂と虫の声とが生活の中に戻って来ていた。
「一体、どうなってるんだ」
「助かったのか?俺たちは・・・」
「誰が、いや“何が”助けてくれたのだろう?」
「天使さま・・・?」
「いや、違う。これは」
「まさか・・・」
「・・・神」
「神だ」
「神が御降臨されたのだ!!」
ろくに技術の無い彼等では手の施しようも無く、人々の手にあった一番の武器である火矢や火薬を持ってしても悪逆の王を食い止める事は出来なかった。
それどころか折からの季節風に煽られてあちらこちらから火の手があがり、拡大した火災は余計に人々を危難に追いやっただけだったのだ。
「こっちの武器じゃ歯が立たない!!」
「くそっ!!」
「もうダメだ、お終いだ」
萎える心を奮い立たせつつ、それでも必死の防戦を繰り広げていた兵士達がいよいよ絶望し掛けたその時。
奇跡が起きた。
「グオォォォォォォォォッッ!!!!!?」
「なんだ、あれは・・・!?」
「光の、柱・・・?」
兵士達はおろか、それまで逃げ惑っていた人々すらも足を止めて見入ってしまうがバフォメットを円の中心に置くようにして町の外側に黄金色に輝く巨大な光の柱が何本も出現していたのだ。
“それ”はしだいに狭まってゆき、やがてバフォメットを捉えたかと思うと一気に窄まり、次の瞬間。
轟音と共に弾け飛んだ、その途端昼間のような明るさが町を照らし、人々を覆い尽くすがそれが収まった時ー。
そこに悪逆の獣の姿はなかった、火災も鎮火していた、天空には月が顔を見せており静寂と虫の声とが生活の中に戻って来ていた。
「一体、どうなってるんだ」
「助かったのか?俺たちは・・・」
「誰が、いや“何が”助けてくれたのだろう?」
「天使さま・・・?」
「いや、違う。これは」
「まさか・・・」
「・・・神」
「神だ」
「神が御降臨されたのだ!!」