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おとなりの、ひとづまと。
第1章 家呑みの果て。
 そして、チャンネルを回し続けていたテレビを何故か消してしまう。
「あのね、翔太?」
「あ?なんだよ、ってゆーか、勝手にテレビ消すなって」
「五月蠅い、ちょっと黙って聞きな、童貞ちゃん。獺祭とかブランド牛とかキャビア茶漬けとか、外の店で呑んだり食べたりしたら、バカみたいに金掛かっちゃうじゃん?そんなもんさ、大人四人でいったら、十万くらい余裕で飛んじゃうワケ。でも、それを家でやれば、三分の一程度で収まるの。それくらいの計算は、童貞ちゃんでも分かるでしょ?」
「いや、それは分かるけど、でも別に童貞は関係無くない?」
「いやいや、大いに関係あるね。だってさ、童貞だからこその下らない質問だもん。そんな事言ってる内は女の子にモテ無いし、三十超えても童貞で魔法使いになっちゃうよ?」
 そう言われて一瞬、別に魔法使いになれるんだったら三十超えても童貞でいいし!と、言い返しそうになってしまったが寸での所で思い止まり、言葉をごくりと飲み込んだ。

 そして、あからさまに話題を変えてみる。
「――ってゆーか、今日さ、としやさんは来ないの?残業とか?」とおれは、さらりとそう言った。

 さくらさんの旦那さんの名前だ。何となく元ヤンっぽい人。基本優しい、でも時折目付き怖い系の、兎に角そう言う人。
「ああ、アイツさ、週末跨いで出張なの。なんかさ、鹿児島か宮崎か熊本辺りでトラブルがあったらしいよ」
「あの、それってさ、ちょっと範囲広すぎない?トラブルってなんなの?ってゆーか、としやさんって仕事何してるの?」
「ん?としやの仕事はさ、田舎の誰も来ない様な山奥でさ、地主とかに内緒で、こっそり畑を作って、いい匂いがする草を栽培する仕事だよ」
「何それ?それってさ、要するに農業ってこと?」
「うん、そうだね、ざっくり言えば農業だね」
「へえ、としやさん、農業やってたんだ?ちょっと意外。もしかしたらヤクザなのかなぁって思ってたけど。たまに怖い時あるから」
「あははは、ヤクザとか、ウケる。でも、まぁ、としやの仕事は内緒だからね?アイツ、恥ずかしがり屋だから、農業してるの隠してるからさ。柄じゃないでしょ?」
「うん、確かに柄じゃないね――」
 そんな感じで、おれはさくらさんと、どうでもいい話をたらたらとしていた。
 その内、父が帰宅して、家呑みが始まる。

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