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おとなりの、ひとづまと。
第8章 嘘じゃない本当の話。
 正直な話、これと同じ事を、好意を抱いて無い女から告げられたら、流石に引いてしまったと思うが、相手がさくらさんなだけに、おれは自分でも不思議に感じるくらい、彼女の想いを受け入れてしまっていた。
「あのさ、さくらさん?」
「んんー?」
「おれさ、今晩だけじゃ無くて、これからも、さくらさんとセックス出来るのかな?」
「出来るよ。翔太が、あたしの事を、好きでいてくれる間は、ね。あと、家に旦那がいない時だけど」
「おれは、さくらさんのこと、ずっと好きだと思うよ。綺麗だし、一緒にいて楽しいし、エロいし」
「あははは、そう言うけどさあ、男って次の女見付けたら、自分のヤリたい時しか相手にしてくれなくなるからなあ。でも、まあ、それでも、暫くは、あたしの事、好きでいてくれるよね?好きなだけ、セックスさせてあげるから……」

 今、現状、さくらさんから離れる自分を想像する事は出来ない。
 だから彼女の言葉の内容もいまいち理解する事が出来なかった。
 それからおれは、セックスの続きをするべく「一度、チンポ抜いた方がいい?」と尋ねたら、彼女は「抜かなくていいよ、そのまま続きしよう」と答えた。
 濃厚な口付けを交わしつつ、腰を動かす。
 彼女の舌は依然気持ち良くて、舌を絡ませていると、腰を動かすのを止めてしまう時が何度かあった。
 その度に、おれは、彼女から舌をきゅっと噛まれる。
「――サボっちゃヤダ。ちゃんとしてくれないと、もうキスしてあげないよ?」
 そう言いつつ、彼女はまたねっとりと濃厚なキスをしてくる。
 これは、おれには過剰な快楽なんだろうと、薄々思っていた。十年とか二十年くらい早いのかもしれない。
 ロールプレイングゲームで、モンスターを最大HPを上回るダメージを与えた時に、オーバーキルと表示されるが、要するに、おれはさくらさんからオーバーキルされ続けてる状態なのだ――。
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