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オレンジ色の世界で。
第2章 嵐の中、母とふたりきり。
実際、我が家は少し高台にあるし、氾濫して被害を被りそうな河川はかなり遠方にあった。
この近隣で洪水になったと言う話も聞いた事が無い。
要するに、この暴風雨さえ凌げば何とかなると、思っているのだろう。
かく言うぼくも、母と同じような心境だった。
しかし、もしかしたら停電にはなるかも、と思い懐中電灯と電池は探し出して、緊急時の灯りだけは確保していた。
それからぼくは、ソファにだらりと腰掛けたまま延々とテレビを観ていた。
チャンネルを千回くらい切り替えつつ、同じような情報を無駄に回収し続ける。
十七時となり、十八時となり、十九時の少し前、母の声が響く。
「たかしくん、カレー出来てるけど、お腹減ってるー?」
ぼくはのそりと身体を起こした。頭がぼーっとしている。昼間オナニーをし過ぎたからだろうか?
「んー、正直、全然お腹減って無いよ。焼きそば食べてから、ここでずっとゴロゴロしてただけだからさぁ」
「あ、やっぱりー?だったら、尚更今日はカレーで良かったかもね。じゃあさ、お腹減ったら自分で温めて適当に食べちゃってね。サラダは冷蔵庫にあるから」
「ああ、うん、分かった。母さんは食べないの?」
「うん、実はさ、母さんね、バイト終わる前に賄い食べたから、全然お腹減って無いんだよねえ。だからさ、今から部屋で貴重品を段ボールに詰めてくるから」
そう言うと母は、パタパタとスリッパを鳴らし寝室へと行ってしまった。
ぼくは、なんだ、結局心配してるんじゃないかと、笑みを零しつつ再びチャンネル回し作業へと回帰した。
それから十五分か二十分ほど経過した頃、ごろごろと雷が鳴りだした。
カーテン越しにちかちかと稲光が目に映る。思わず身体を起こした。
ごろごろと、音が近くに感じられ、怖いと思った。身の危険を感じる様な怖さだった。
その直後、耳を劈く様な落雷の音が響き渡った。自分の家に落ちた!と錯覚してしまいそうな轟音だ。
この近隣で洪水になったと言う話も聞いた事が無い。
要するに、この暴風雨さえ凌げば何とかなると、思っているのだろう。
かく言うぼくも、母と同じような心境だった。
しかし、もしかしたら停電にはなるかも、と思い懐中電灯と電池は探し出して、緊急時の灯りだけは確保していた。
それからぼくは、ソファにだらりと腰掛けたまま延々とテレビを観ていた。
チャンネルを千回くらい切り替えつつ、同じような情報を無駄に回収し続ける。
十七時となり、十八時となり、十九時の少し前、母の声が響く。
「たかしくん、カレー出来てるけど、お腹減ってるー?」
ぼくはのそりと身体を起こした。頭がぼーっとしている。昼間オナニーをし過ぎたからだろうか?
「んー、正直、全然お腹減って無いよ。焼きそば食べてから、ここでずっとゴロゴロしてただけだからさぁ」
「あ、やっぱりー?だったら、尚更今日はカレーで良かったかもね。じゃあさ、お腹減ったら自分で温めて適当に食べちゃってね。サラダは冷蔵庫にあるから」
「ああ、うん、分かった。母さんは食べないの?」
「うん、実はさ、母さんね、バイト終わる前に賄い食べたから、全然お腹減って無いんだよねえ。だからさ、今から部屋で貴重品を段ボールに詰めてくるから」
そう言うと母は、パタパタとスリッパを鳴らし寝室へと行ってしまった。
ぼくは、なんだ、結局心配してるんじゃないかと、笑みを零しつつ再びチャンネル回し作業へと回帰した。
それから十五分か二十分ほど経過した頃、ごろごろと雷が鳴りだした。
カーテン越しにちかちかと稲光が目に映る。思わず身体を起こした。
ごろごろと、音が近くに感じられ、怖いと思った。身の危険を感じる様な怖さだった。
その直後、耳を劈く様な落雷の音が響き渡った。自分の家に落ちた!と錯覚してしまいそうな轟音だ。