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ペリドット
第1章 台風9号が直撃する夜。
『第5話:耳は苦手なんです』


「ゴメンナサイ……」
 彼女は僕に抱きつきそう呟いた。その直後は僕に対してかな?と思ったが、すぐに、もしかしたら旦那さんに対してかもな、と言う思いが走る。
 熱烈にしがみついて来たので、獣の様に身体を擦り付けてくるかと思いきや、特にそうでも無い時間が暫し続いた。
 どうやら、経験が少ないという話は本当らしい。僕の中で苛めてやりたいと思う気持ちと、色々教えてやりたいと言う想いが複雑に入り組み交錯している。
 二十七になる一般の女性なら少なからず男が悦びそうな技の一つや二つ持ち合わせていそうなものだが、彼女は初めてセックスをする女学生の様に、うぶな反応を僕に示すのだ。
「シズカ?もう少しリラックスして欲しいんだけど?」
「だって、私……どうしたらケイゴさんが悦んでくれるのか解らないから……」
「解ったから、シズカは、何もしなくていいよ。今日は僕がキミを悦ばせて上げるから」
「やっぱり、ケイゴさんは優しい……」

 別に優しい訳じゃないよ、無理難題押し付けても反応が悪いから面倒くさいだけだ……なんて事は言える筈も無く、僕は、優しくシズカを包込んだ。
 久しぶりに抱いた女の肌は、少し冷たくて、反応も薄いので人形に抱きついている感覚もあった。そう有る様に見えなかった胸も、実は隠れ巨乳というやつらしく、予想以上の圧力が僕の胸へと掛かってくる。
 自分の事はある程度制御出来ていると思っていたが、こうして、自分の真下に無抵抗の女を置いてみると、そう上手く自制出来ていない事に気が付いた。
 色々と偉そうに宣っていた割には緊張しているのだ。元々、自分のセックスに自信がある人間では無い。
 至ってノーマルな僕が、幾ら破天荒を気取った所で、所詮それは借り物の人格でしか無く、要するにそれは、さっきまでの彼女と大差が無いと言う事で……ここに来て、もしかしたら僕達は似た者同士なのかも知れないな、と思い始めていた。
 そうなって来ると、急激に愛おしさが増幅して来る。苛めて、その水色のワンピースを破く勢いで犯してやろうなんて事は、只の幻想で、現に今僕はこうして、彼女の事を優しく抱いて慈しんでいる訳で……。
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