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ペリドット
第1章 台風9号が直撃する夜。
 暫く楽しんでから解放してあげると、彼女は右手で顔を隠して、はあはあと熱い呼吸を繰り返す。
「――もう、意地悪だったり優しかったり……変な人だったんですねケイゴさんって」
「ちょっと嫌いになってしまった?」
「耳をイジメるケイゴさんは嫌いです」
「じゃぁ、僕とキスをするのは?」
「それは……キスは好きですけど」
「もう一度する?」
 僕の問いに、彼女はコクりと頷く。本心を口にするのが苦手なのだろう。そして、その瞳は再び閉じてしまう。光を閉ざして、彼女は何を思い僕と唇を重ねているのだろうか?
 目の前には、可愛らしい耳がひょっこりと顕れる。もう少し苛めてもいいのだが、あまりそれにばかり執着するのも芸が無いかと思い、僕は彼女の身体の温もりを求め、手を意外と豊かであった胸の上に置いた。
 手触りの良いワンピース越しにブラジャーの線が感じられ、僕はそれをなぞって彼女の身体の膨らみを楽しむ。
 感度の良い身体なので、その程度の戯れでも身を捩りだしていた。
 反応がなければ、手はどんどんと代表的な性感帯へと邁進するのだろうが、核心に迫らなくてもこれほど敏感に反応してくれるのであれば、自分のフェチズムを超えた箇所も責めてみたくなってくる。

 僕の指は胸の軌道を離れ腋の方へと向かっていた。
 邪魔されない様に、彼女の手首を握り頭上の方へと持ち上げる。
 最初は指で擽ろうかと思ったのだが、多分舐められた方が恥ずかしいんだろうなと思うと、自然と口からは舌が出ており、僕は溶けたアイスクリームにそうする様に、彼女の腋を舐めてみた。
 声こそ上げなかったが、全身には感電してしまった様な力みが生じる。
 二舐め、三舐めしてみると彼女の身体には新たな捻れが生まれだした。
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