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ペリドット
第1章 台風9号が直撃する夜。
 彼女は僕の息子を握り締めたまま半身を起こした。そして、その白い足を抜き出して四つん這いとなる。
 弓なりに反られた背中が美しい。
 その先にあるお尻は芸術的なカーブを描いていた。
 シズカは視覚的にとても心地の良い女だ。
 ふと、気を抜くと直ぐに見惚れてしまう。
 こんな身体を経験不足で持て余すなんて、犯罪に近い行為だとすら思えてくる。
 そして、下手だと言った彼女の、本当に稚拙なフェラチオが始まる。
 舌先でちょんちょんと亀頭を突っつく様な、小鳥が餌を啄んでいる様な仕草に、笑みが溢れてしまった。

「もう……笑わないでください。下手だって言ったじゃないですか」
「ゴメン、想像以上だった。旦那さんにした事ないの?」
「主人は……あまり私に多くを求めない人なんです」
「え?もしかして初めてとか?」
 彼女は恥ずかしそうに目を伏せてコクりと頷いた。これはかなり稀有な存在だ。
 人妻で二十七歳になる女がフェラチオした事無かったなんて、誰にも信じて貰えないだろう。
「そっか、じゃぁ僕好みに色々教えてあげるよ。まずはね、ソフトクリームを舐めるみたいにして欲しい」
「ソフトクリーム、ですか?」
「うん、そうそう。棒の所から、ここのね、亀頭って言うんだけど、この辺までをゆっくりとねっとりと舐めあげる。そうだね、出来れば、僕の目を見詰めながら……」
 飲み込みが早い。
 ポテンシャル的には出来る女の部類に入るのだろう。
 ただ、今まではこう言う風に教えてくれる男と出逢いが無かっただけの様だ。
 出逢いが無くても、本とかネットとかで自分で学習したりするのが、所謂普通ってヤツだと思うのだが、彼女は青春時代にそう言う好奇心が欠落していたのだろう。
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