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ペリドット
第2章 ふたりの少女。
『第2話:リクと言う名の理解不能な生き物』
部屋に戻った僕は、ソファに腰掛けテレビをつけ、ダラダラと情報番組を観ていた。
隣りからの物音は聞きたく無いな、と思いいつもより音量を大きくする。
その音に負けじと、暴風に晒された網戸が狂った様に右往左往し、無機質な音を高らかに鳴らしていた。
どの情報番組も台風情報ばかりで、面白くは無いが、今の僕には誰でもいいから人間の声が必要だった。
久しぶりに他人の温もりを感じ、いきなり孤独な世界へと回帰したものだから、心がなんだかそわそわとしていた。
今日が休みだったら、酒でも飲んで気を紛らしているのだが、数時間後には出勤しなければならないので、何とか自分で荒れた心を整えるしか無い。
しかし、心は中々整ってはくれない。
そうしようとすると彼女の顔が浮かんでくるし、旦那の存在が疎ましくて、心が散り散りに破けてしまいそうになる。
そう言う時間を一時間も過ごしていると、今度はじっとしている事が苦痛になりだしてしまい、まだ少し早いが出勤の支度をする事にした。
支度と言ってもシャワーを浴びて、髭を剃って、歯を磨いて、スーツを着る……ただそれだけだ。
その気になれば十五分程でも完結出来る。
しかし、それを今日は敢えて時間を掛けてする事にした。
ゆっくり動いて、いつもより念入りに身体を洗って、歯を磨いて……その結果、時計の針は三十分程度進んでくれた。
思わずため息が出る。
のんびりしてもまだ十時にもなって無い。
さっきまでは今日から休暇にしてくれればいいのにと思っていたが、今は早く会社に行きたいと思っているのだ。
部屋に戻った僕は、ソファに腰掛けテレビをつけ、ダラダラと情報番組を観ていた。
隣りからの物音は聞きたく無いな、と思いいつもより音量を大きくする。
その音に負けじと、暴風に晒された網戸が狂った様に右往左往し、無機質な音を高らかに鳴らしていた。
どの情報番組も台風情報ばかりで、面白くは無いが、今の僕には誰でもいいから人間の声が必要だった。
久しぶりに他人の温もりを感じ、いきなり孤独な世界へと回帰したものだから、心がなんだかそわそわとしていた。
今日が休みだったら、酒でも飲んで気を紛らしているのだが、数時間後には出勤しなければならないので、何とか自分で荒れた心を整えるしか無い。
しかし、心は中々整ってはくれない。
そうしようとすると彼女の顔が浮かんでくるし、旦那の存在が疎ましくて、心が散り散りに破けてしまいそうになる。
そう言う時間を一時間も過ごしていると、今度はじっとしている事が苦痛になりだしてしまい、まだ少し早いが出勤の支度をする事にした。
支度と言ってもシャワーを浴びて、髭を剃って、歯を磨いて、スーツを着る……ただそれだけだ。
その気になれば十五分程でも完結出来る。
しかし、それを今日は敢えて時間を掛けてする事にした。
ゆっくり動いて、いつもより念入りに身体を洗って、歯を磨いて……その結果、時計の針は三十分程度進んでくれた。
思わずため息が出る。
のんびりしてもまだ十時にもなって無い。
さっきまでは今日から休暇にしてくれればいいのにと思っていたが、今は早く会社に行きたいと思っているのだ。