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ペリドット
第2章 ふたりの少女。
それから暫くケイタイを弄っていると、再び彼女が現れた。
今度はコーヒーを持って来てくれている。
長袖の白いブラウスに、膝上丈の黒いフレアスカートそして黒のニーハイソックス……恐らくこの手のコーディネートはマスターの趣味なんだろう。今までのバイトの女の子も大体こう言う格好だった。
「コーヒーお持ちしました」
「ありがとう……その格好可愛いね。似合ってるよ」
「え?」
「あ、ゴメン、つい口に出してしまった。気にしないで……」
本当に我ながら迂闊だと思った。
こう言う美少女は目の保養程度に眺めているのが一番なのに、下手に声を掛けると、大抵気不味い雰囲気になってしまう。
出先で二度と来ること無い店ならまだいいが、こんなにもヘビーローテーションしている店で軽はずみに……。
「ホントに!?似合ってる!?可愛いの!?」
突然、彼女の表情は輝き、キイの高い声を上げた。急な変調に僕は呆気に取られてしまっていた。
「ねえ、ねえ?タチバナくん、リクの友達になってよ!」
色々な事が不可解だ。
このテンション、客に対する態度、そしてトモダチ?展開が早すぎて訳が解らない。
一体この子は……?
「あのね、あのね、リクね、初めてバイトで入った日の最初のお客さんがタチバナくんでね、初めての接客だから超ドキドキしてたんだけど、タチバナくんがメチャクチャ優しくてぇ、それ以来、どうにかして友達になれないかなぁって思ってたんだよねぇ。でも、タチバナくんって超大人っぽいから、リクなんて相手にしてくんないだろうなぁって思ってたらぁ……カワイイって言ってくれるんだもん!ねえ、ねえ?タチバナくんは彼女いるの?独身だよね?背ぇ結構高いよね?何歳なの?二十五くらいかな?リクはいくつだと思う?」
――何者なんだ?僕は狼狽え気味にマスターへと助けを求めてみたが、彼は他に客がいないのをいい事に、意地の悪い笑みを浮かべて奥へと消えて行ってしまった。
多分、マスターも相手し疲れてるんだろう。
そして、彼は客である僕を生贄にしたのだ。
「ねえ、ねえ?タチバナくん!あのさ、彼女いないんだったら、リクを彼女にしてよ、いいでしょ?」
このリクと言う名の理解不能な生き物は、支離滅裂な言葉を吐き僕に迫ってくる。
只のお喋りモンスターだ。あがり症の女の子だなんて、完全に僕の思い違いだった……。
今度はコーヒーを持って来てくれている。
長袖の白いブラウスに、膝上丈の黒いフレアスカートそして黒のニーハイソックス……恐らくこの手のコーディネートはマスターの趣味なんだろう。今までのバイトの女の子も大体こう言う格好だった。
「コーヒーお持ちしました」
「ありがとう……その格好可愛いね。似合ってるよ」
「え?」
「あ、ゴメン、つい口に出してしまった。気にしないで……」
本当に我ながら迂闊だと思った。
こう言う美少女は目の保養程度に眺めているのが一番なのに、下手に声を掛けると、大抵気不味い雰囲気になってしまう。
出先で二度と来ること無い店ならまだいいが、こんなにもヘビーローテーションしている店で軽はずみに……。
「ホントに!?似合ってる!?可愛いの!?」
突然、彼女の表情は輝き、キイの高い声を上げた。急な変調に僕は呆気に取られてしまっていた。
「ねえ、ねえ?タチバナくん、リクの友達になってよ!」
色々な事が不可解だ。
このテンション、客に対する態度、そしてトモダチ?展開が早すぎて訳が解らない。
一体この子は……?
「あのね、あのね、リクね、初めてバイトで入った日の最初のお客さんがタチバナくんでね、初めての接客だから超ドキドキしてたんだけど、タチバナくんがメチャクチャ優しくてぇ、それ以来、どうにかして友達になれないかなぁって思ってたんだよねぇ。でも、タチバナくんって超大人っぽいから、リクなんて相手にしてくんないだろうなぁって思ってたらぁ……カワイイって言ってくれるんだもん!ねえ、ねえ?タチバナくんは彼女いるの?独身だよね?背ぇ結構高いよね?何歳なの?二十五くらいかな?リクはいくつだと思う?」
――何者なんだ?僕は狼狽え気味にマスターへと助けを求めてみたが、彼は他に客がいないのをいい事に、意地の悪い笑みを浮かべて奥へと消えて行ってしまった。
多分、マスターも相手し疲れてるんだろう。
そして、彼は客である僕を生贄にしたのだ。
「ねえ、ねえ?タチバナくん!あのさ、彼女いないんだったら、リクを彼女にしてよ、いいでしょ?」
このリクと言う名の理解不能な生き物は、支離滅裂な言葉を吐き僕に迫ってくる。
只のお喋りモンスターだ。あがり症の女の子だなんて、完全に僕の思い違いだった……。