この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ペリドット
第2章 ふたりの少女。
 それから暫くケイタイを弄っていると、再び彼女が現れた。
 今度はコーヒーを持って来てくれている。
 長袖の白いブラウスに、膝上丈の黒いフレアスカートそして黒のニーハイソックス……恐らくこの手のコーディネートはマスターの趣味なんだろう。今までのバイトの女の子も大体こう言う格好だった。

「コーヒーお持ちしました」
「ありがとう……その格好可愛いね。似合ってるよ」
「え?」
「あ、ゴメン、つい口に出してしまった。気にしないで……」
 本当に我ながら迂闊だと思った。
 こう言う美少女は目の保養程度に眺めているのが一番なのに、下手に声を掛けると、大抵気不味い雰囲気になってしまう。
 出先で二度と来ること無い店ならまだいいが、こんなにもヘビーローテーションしている店で軽はずみに……。
「ホントに!?似合ってる!?可愛いの!?」
 突然、彼女の表情は輝き、キイの高い声を上げた。急な変調に僕は呆気に取られてしまっていた。

「ねえ、ねえ?タチバナくん、リクの友達になってよ!」
 色々な事が不可解だ。
 このテンション、客に対する態度、そしてトモダチ?展開が早すぎて訳が解らない。
 一体この子は……?
「あのね、あのね、リクね、初めてバイトで入った日の最初のお客さんがタチバナくんでね、初めての接客だから超ドキドキしてたんだけど、タチバナくんがメチャクチャ優しくてぇ、それ以来、どうにかして友達になれないかなぁって思ってたんだよねぇ。でも、タチバナくんって超大人っぽいから、リクなんて相手にしてくんないだろうなぁって思ってたらぁ……カワイイって言ってくれるんだもん!ねえ、ねえ?タチバナくんは彼女いるの?独身だよね?背ぇ結構高いよね?何歳なの?二十五くらいかな?リクはいくつだと思う?」

 ――何者なんだ?僕は狼狽え気味にマスターへと助けを求めてみたが、彼は他に客がいないのをいい事に、意地の悪い笑みを浮かべて奥へと消えて行ってしまった。
 多分、マスターも相手し疲れてるんだろう。
 そして、彼は客である僕を生贄にしたのだ。
「ねえ、ねえ?タチバナくん!あのさ、彼女いないんだったら、リクを彼女にしてよ、いいでしょ?」
 このリクと言う名の理解不能な生き物は、支離滅裂な言葉を吐き僕に迫ってくる。
 只のお喋りモンスターだ。あがり症の女の子だなんて、完全に僕の思い違いだった……。
/62ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ