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ペリドット
第2章 ふたりの少女。
 思わず笑みが溢れてしまう。
 こう言う風に遊ぶ分には申し分無い相手の様だ。
 しかし、今日家に遊びに来ると言っていたが本気なのだろうか?
 それで、シズカからのお誘いがあったらちょっと面倒臭い状況になってしまう。
 リクは彼女でも何でも無いが、タイミング悪く鉢合わせてしまったら……昨日の今日でシズカが可哀想だ。
 所詮は不倫関係でしか無いのだろうが、僕はシズカに対しては優しく接してやりたいと思ってはいる。
 恋愛ゴッコだけど、昔から好きなゲームにはのめり込んでしまうタイプなのだ、僕は。
 リクは喫茶店で待っていると言っていたから、家に連れて行かずに近くのファミレスにでも行けばいいだろうか?
 いや、でもあのお喋りモンスターの事だから、ファミレスで喰いまくった挙句に家にも連れて行けと喚き散らしそうな気がする。
 しかし、今後も喫茶店で出会す可能性が高いのでシカトは出来ない。

 あぁ、ダメだ。また深みに嵌りつつある。
 考え無い様にしているのに、二三歩も歩けば能内にシズカとリクの顔がフラッシュバックし始めるのだ。
 こんな事では仕事も手につかないだろうし、ぼうっと歩いて車に跳ねられてしまうかもしれない。
 昨日の出勤時は、全く女っ気の無い人生だったのに、今は女の事で頭が一杯になってるなんて……やはり、これはタチの悪い芸能人が何処かで盗撮してるドッキリ番組なのではないだろうか?

 ああ、やはりそれは無いか、もう僕はシズカとセックスをしているのだ。
 如何に素人を弄る番組でも、流石にそこまでヤらせることは無い。
 と、言う事はやはり僕にもとうとうモテキというやつが到来したのか?いや、しかしそれでは……でも、やっぱり。
 延々と、この手の事を妄想し、イヤダメだと前に進み、そしてまた直ぐに妄想に耽る……、を繰り返して、結局僕が会社に到着したのは十三時だった。
 まだ仕事前なのに、脳みそを使い過ぎたので二日酔いの朝みたいにクラクラしている。
 席に着いてからは、誰からも無理難題を振られない様にひっそりと息を殺して、静かに佇む事に徹した。
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