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ペリドット
第2章 ふたりの少女。
『第7話:デリカシー無いのはお互い様』


 二十一時過ぎ。
 マンションの入口に着いた時の時刻だ。まだまだ夜はこれからと言う時間だったが、今日の僕はもうヘトヘトだった。
 昨夜から、イベントが立て続けにあり過ぎたのだ。
 シズカ、リク、鈴木係長と新しい出逢いの連続は喜ばしい事なのだろうが、こんなに集中するのは異様としか思えない。
 彼女と別れてから二年近く、まともに女性と絡んで無かったのに、突然前触れ無くこう言う事態に陥ってしまい、身も心も疲弊してしまっていた。
 帰り着くまでは、もしかしたらシズカと……とか、喫茶店でリクが待っているかも……と妄想を走らせていたのだが、喫茶店は営業終了しているし、シズカの部屋も照明が点いておらず暗かったので、今日のところはどうやら妄想は妄想で終わりそうだった。
 その結果に対して安堵よりも若干やる瀬無さが上回ってしまうのは愚かしい僕ならではなのだろう。

 重い足を引き摺り、階段を上る。
 三階建てのマンションなのでエレベーターが無い。
 いつもならすいすいと上るのだが、今日は老人の様な速度でしか進む事が出来ない。
 いつもの倍の時間を掛けて三階へと辿り着き、息を大きく吐いてから、部屋へと向かった。
 階段から一番近い場所に僕の部屋はある。いつもなら、この間で何か特筆する様な事は無いのだが、今日はいつもと少々雰囲気が違う。
 僕の部屋の扉の前で、女の子が体育座りでいるのだ。
 寝ているのか、顔は膝の上に伏せてあるので初見では何者かは分らなかった。
 一瞬、リクかとも思ったが、彼女とは髪の色も長さも違うし、肌もリクよりも若干日焼けしている様に見える。
 ピンク色のティーシャツにヒラヒラした黒いミニスカート、足元はピンクのビーチサンダル。
 格好からは、中学生くらいに見える。
 身体の脇には小旅行用のバッグが置いてあった。
 旅行者なのだろうか?それで目的地は僕の家?
 いや、遊びに来るのなら普通は前もって連絡の一つでも入れるだろうから、やはり部屋を間違えている?
 僕は一度辺りを見渡してみた。現在この階層には僕と目の前の少女がいるだけだ。
 取り敢えず声を掛けてみることにした。
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