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ペリドット
第2章 ふたりの少女。
 開いた口が塞がらないとは正にこの事だ。最悪だと思うのは僕の方だろう?大体なんで一回り以上も歳下の従妹に呼び捨てにされた挙句ボロカスに罵られなければならないんだ。
「早よぅ、ボサッとしとらんで、は・こ・ん・で!」
「誰が運ぶか。っていうか家に入れるのもイヤだね」
「解ったわ、じゃぁオトンに電話するわ。ケイゴが苛めるし家に入れてくれんって」
 あぁ、これだ。いつもこうなんだ。
 無理難題吹っ掛けて来て断ったらオジさんに言い付ける的な。
 僕はこうやって、コイツが幼稚園児の時から煮え湯を飲まされ続けて来たのだ。
 しかも、またコイツのオジさんが普通の一般人の筈なのにヤクザみたいで鬼の様に恐ろしくて。
 結局、三十路前にもなっても僕はまだこのクソガキには抗えないのか。
 流石に、草食動物の様に温厚な僕でも、コイツが相手になると直ぐに激情に駆られてしまうのだ。
 三年振りに会うのだが、僕と彼女の関係性は全くと言って程に変化が無い。
 僕にとってユミと言う存在は生涯宿敵なのだろう。

「くそ、今日は疲れてるのに、よりによってこんな日に……」
 結局、僕にはユミを部屋の中まで運ぶという選択肢しか残されてない。
 しかし、何か少しは抗わなければ、このままだと僕の精神が異常をきたしてしまう。
「運べばいいんだな?」
「逆らわんで、最初からそうしとけば……え?ちょっと、待って!なんでこんな荷物みたいに……」
 僕は丸太を担ぐ様にユミを右肩に乗せた。
 三年前よりは大きくなったが細っちょろいので、僕でもそれくらいの事は出来る。
 ユミは足をバタつかせて怒りを露わにしていたが、疲れていると言うのも本当の様で直ぐに大人しくなってしまった。
「こんなん屈辱やわ。パンツも丸見えやし!ホンマにデリカシーなさすぎや」
「誰がオマエのパンツ見て喜ぶんだよ?それにデリカシー無いのはお互い様だろ?」
 大人しくなったユミを肩に乗せ、鍵を開けて、扉を解放する。
 傍から見れば少女を拉致監禁する悪人なの様に見えるだろう。
 しかし、悪事でも少女を拉致監禁するからには、その犯人にはリスキーだが何らかのウマ味がある。
 だが、僕には埃一つ程のメリットも無いのだ。
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