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借金のカタに妻を差し出しました 復讐編
第1章 来訪者
来訪者は2名だった。
男女で両名ともダークスーツで、男は50位だろうか、女は30前後、和空と同世代と思われた。

ダイニングテーブルを挟んで、4人が座ると、ダークスーツの2人は名刺を差し出し、男は早速話しを始めた。

男は投資会社の債権回収担当だが、一緒に来たダークスーツの女の会社に債権を譲渡した事、後は女と話し合いをと、告げて帰っていった。

ダークスーツの女は、名刺によると逆崎早喜、会社名は知らない会社、肩書きには秘書とあった。

早喜は、足許の鞄に手をのばし、
「私共の会社と社長を説明します。」
逆崎早喜は、鞄から雑誌を出しテーブルの上に拡げ
投資雑誌のインタビュー記事で、起業家の左脇喜義と紹介され、和空と同歳日焼けした顔と、がっちりとした体躯が判った。

早喜は、左脇が現在行っている事業を説明していった。
ITベンチャー、不動産、飲食、小売りなど現在は起業、買収などで手広く事業を行っている事を説明した。

一通りの説明を終えると、本題である返済についてを、始めた。
「枚河和空さんの、信用取引の返済は2千万ほどになりますね。」
和空が言葉を挟み
「ローンで、なんとか返そうと思っています。」
和空と魅久は二人で頭を下げる。
「住宅ローンもあって大変ではないですか?それとも、この部屋を売りますか?」
「いえ、妻も働きに出てもらいなんとか。」
魅久も「はい」と頷いていた。
「当方と致しまして、返済方法に関して2つの提案を持って来ました。1つは、ローンで返済してもらう方法、もう一つは住宅ローンも併せて当方で融資をして無金利で返済して頂く方法です。」
和空は驚いて、早喜を見つめた。早喜は続けて、
「ですが、2つめの提案には条件があります。」
早喜は、魅久を見つめながら更に、
「奥様を2,3日お貸しさせてもらいます。」
和空と魅久はお互いに見つめ合い、言葉を失っていた。


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