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僕の彼女が堕ちるとき
第7章 エンドレス・ボレロ
 そのまま階段を駆け下りて、僕はマンションの入口に出る。
 やり場のない激しい怒りに駆られ、僕は胸ポケットのスマホを硬い床にたたきつけた。

 画面が砕け、電池がはじけ飛び、基盤のパーツがむき出しになり、僕はあらゆるパーツが粉々になるまで自分のスマホを破壊した。
 これで、もう、僕は朱里の声も大塚の声も聞かなくて済むだろう。
 永久に。

 外は、来るときに降り出した雨が、激しく地面を叩いていた。
 僕は粉々になった哀れなスマホを置き去りにすると、そのまま冷たい雨のなかへと歩きだす。
 冬の冷たい雨は僕の涙を隠すように、優しく激しく降り続けていた。
 そして僕は、冷たく優しい雨に打たれながら、一人、夜の街をあてもなく彷徨い続けた。

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