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僕の彼女が堕ちるとき
第2章 賭けと代償
長いうたた寝から目の覚めた僕は、胸ポケットのスマホの時計を確認した。
時計は23時を少し回ったところだ。
僕のとなりの布団では、二次会から戻ってきたらしい相部屋の仲間が寝息を立てていた。
明日の卒論の報告会は9時からだから、そろそろ二次会も終わっている頃だろうか。
妙な夢を見たせいか、僕は朱里のことが気になっていた。
さすがに、もう自分の部屋に引き上げていると思うが、メールや電話を入れて確認するのも、束縛しすぎのようで嫌だったし、朱里の部屋に見に行くのも、相部屋の女の子たちの目線を考えると気がひける。
子供じゃあるまいし、そもそも確認しに行くようなことなのか、という考えも浮かんできて、僕のもやもや感は晴れなかった。
それに、大塚については今のところ、僕が先入観だけで勝手にいけ好かないと思っているだけだ。要するに、僕が嫌いな奴と朱里が話しているところを見たくない、というだけで、そのことだけをとれば、単なる僕のわがままなのだ。
だが、僕の頭からは、朱里が酒を飲みながら、大塚と楽しそうに話している姿がどうしても消えなかった。そもそも朱里は酒に弱くて、いい感じで酔っている姿を見るのは久しぶりだったから、なおさらだ。
結局、僕は二次会の部屋を見に行くことにした。
朱里がいれば、朱里の様子を見ながら、二次会が引けるまで、適当に軽いものでも飲んで過ごせばいいし、朱里がいなければ一杯か二杯付き合って帰ってくればいいだろう。
どっちにしてももう遅い時間で、明日の報告会のことを考えると、そうそう飲み続けていられる時間ではないはずだった。