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こいのうた。
第2章 恋心
京丞が一華を連れてきたのは、落ち着いた感じの和食の店だった。

「ちょ、こんな高そうなとこ!だめです!」

一華はその店構えをみて焦った。
いくら年上とはいえ、高校生に払えるような店ではないことが容易に想像できた。

「だーいじょぶ、だいじょぶ」

またしても強引に手を引かれ店の暖簾をくぐる。


「わっ! 広い!」

外から見るよりも、かなり広い店内。
入口の横の池には、錦鯉が悠々と泳いでいる。

「こんなとこでおごってもらえないです!」


「あれ?奢るとは言ってないよー?ご馳走するって言ったんだ」

やたらとニコニコ笑いながら一華を見下ろす。

「???」

「ここ、俺んち」

「え!!」

一華は驚きを隠せなかった。

京丞の身なりと、和食屋がどうしても結びつかない。


「意外だって顔してるな?こう見えても、俺 料理は得意中の得意だぜ?」

そう言って自慢げに腕を組んでみせる。

「おやじ、この子になんか作ってやって」

社長らしいその人は、一華の顔を一瞥すると、ニヤニヤ笑いながら包丁を動かす。

「お前なんかしでかしたか?」

「まあ、ちょっと、お詫び」

「お嬢ちゃん、そこの奥に座ってな!ゆっくりしてきなー」

柔らかい笑顔―――

一華は急に心が和んだ。
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