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こいのうた。
第6章 雨音
二人の体温で、電話ボックスのガラスは真っ白に曇っていた。

「それに、土砂降りで、誰もいないよ」

そう言うと京丞の顔が近づく。

「や…恥ずかしいっ」

「こっち向いて」

京丞は両手で一華の顔を挟み込む。

「先輩…すぐ顔はさむ…」

「あ、なんか、癖で」

「癖…?」

昔の女の影がちらつき、一瞬落ち込む一華。

「あれ、なんか妬いた?」

ニヤニヤしながらのぞき込む京丞。

「べつに…っ」

「一華ちゃん見るとね、こうしたくなるの」

そう言うと一華の頬を軽くムニムニする。

「一華ちゃんのほっぺ、柔らかいんだもん」

「そんなに柔らかいかなぁ?」

「柔らかいよ……食べたくなっちゃう」

冗談ぽく言う京丞の目は真剣だった。
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