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カゴノトリ
第1章 部屋の前
剛三は大きな体躯の持ち主だった。

そして歳よりも大分若く見えた。

貫禄のある“男”に見えた。



卓也は思い出していた。

幼い頃、死んだ父と一緒に風呂に入ったときがある。

そのとき垣間見た、父の股間にだらりと垂れ下がった大きめのペニスと、大きなの陰嚢を。

異様な物に映った。

自分の小さな縮こまっているそれと見比べた。

大人になると、こんなにも大きな変な形になるのか……?

卓也は子供ながらにそう思った。

今、あの剛三のものがどんな形になっているのか……?

剛三のは父親のより、多分大きいだろう。

そして、卓也は更に知っている。

いつもはだらんと垂れ下がっているものが、ある時、その体積を増し、信じられない硬さをもって立ち上がることを。
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