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カゴノトリ
第2章 部屋の中
今日が、剛三との三度目の行為だった。
こんなことがいつまで続くのだろう……?
籠の中に飼われた鳥のようだった。
多分妊娠するまでだろうか……。
それが剛三の仕事なのだろうか……。
でも身体が拒絶している……。
隣のベッドから、大きな鼾が聞こえ始めた。
剛三の細胞を、自分の細胞が拒絶している。
美保はそう確信していた。
もう耐えられなかった。
美保は自分の体を自分の腕で抱きしめた。
逃げよう……。
でも、借金が……。
恩が……。
卓也が……。
でもこのままでは……。
どうすれば……。
美保は、顔を手で覆った。
不意に顔を上げた。
部屋の中を見回した。
ベッドのサイドテーブルには電話機、メモ用紙、そして黒い大きめの万年筆があった。
立ち上がり、万年筆を手に取った。
キャップを外した。
金色のペン先が現れた。
それ以外の部分を右手で握り締めた。
ペン先が下を向いた。
今度はそれを両手で握った。
美保は、剛三の首筋と、自分の下腹部を交互に見た。
決めかねた。
しかし、数秒後、意を決し、一度大きく息を吸い込むと、両手を振り上げた。
完。
こんなことがいつまで続くのだろう……?
籠の中に飼われた鳥のようだった。
多分妊娠するまでだろうか……。
それが剛三の仕事なのだろうか……。
でも身体が拒絶している……。
隣のベッドから、大きな鼾が聞こえ始めた。
剛三の細胞を、自分の細胞が拒絶している。
美保はそう確信していた。
もう耐えられなかった。
美保は自分の体を自分の腕で抱きしめた。
逃げよう……。
でも、借金が……。
恩が……。
卓也が……。
でもこのままでは……。
どうすれば……。
美保は、顔を手で覆った。
不意に顔を上げた。
部屋の中を見回した。
ベッドのサイドテーブルには電話機、メモ用紙、そして黒い大きめの万年筆があった。
立ち上がり、万年筆を手に取った。
キャップを外した。
金色のペン先が現れた。
それ以外の部分を右手で握り締めた。
ペン先が下を向いた。
今度はそれを両手で握った。
美保は、剛三の首筋と、自分の下腹部を交互に見た。
決めかねた。
しかし、数秒後、意を決し、一度大きく息を吸い込むと、両手を振り上げた。
完。