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カゴノトリ
第1章 部屋の前
ぎしっ
ぎしっ
ぎしっ
ベッドの鳴る間隔がなくなった。
「あっ、お願い! あっ、やめてっ!」
「うるさい!……溜まってるんだ……」
ぎしっ「はっ」「あっ」
ぎしっ「はっ」「あっ」
ぎしっ「はっ」「あっ」
美保のあえぎ声、剛三の吐息のような声、ベッドのきしむ音。
その音と声が重なり合う。
その和音が、卓也の身体の奥底からこみ上げてくるものを、どんどん膨れ上がらせた。
身体の奥から、何かが圧力を持って湧き上がってくる。
卓也は、それをなんと呼ぶのか分からなかった。
どう扱えばよいのか、分からなかった。
「お前はもう俺のものだ……うんっ……うんっ……おお、だめだ、いきそうだ」
「あっ……だめっ……お願い……お願いします……だめっ!」
「うんっ、うんっ、ああ……出すぞ……」
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