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もう一度、ロストヴァージン
第1章 もう一度、ロストヴァージン
アタシは、あつろうに第2のヴァージンを奪い取られてしまったあの日から、あつろうへの思いがますます強まっていた。

アタシは、LINEにメッセージをヒンパンに送り続けていた。

それなのに、あつろうからの返信が一度もなかった。

アタシは、ものすごく不安な気持ちになっていた。

何回送っても、返信が来ない…

どうしよう…

もしかしたら…

あつろうは、アタシの他に好きなカノジョができたのではないのか?

どうしよう…

あつろう…

会いたい…

会いたい…

あつろうに会いたい…

ねえ、お願い…

返信してよ…

あつろう…

あつろうってば!!

ねえ!!

そして、3月1日のことであった。

卒業式を終えた長女は、学校から出たあと旅行カバンひとつを持って、特急列車に乗って旅立った。

松山駅で長女を見送ったアタシは、あつろうを探しに外へ出た。

アタシがLINEを見たときであったけど、あつろうは親同士のお見合いイベントで母親が見つけた女性とお見合いをすることになったと書かれていたので、より強い不安がつのっていた。

あつろうは、道後のメルパルクでお見合い相手の女性と会うことになっていた。

もう一度あつろうに会って、今のアタシの気持ちを伝えよう…

道後のメルパルクに着いた時であった。

アタシは、エントランスホールにいるあつろうを見つけた。

この時、あつろうはお見合い相手の女性と一緒にカフェテリアにいた。

あつろうは、アタシを見たとたんに『ごめん…結婚できない…』と相手の女性に突き放す声で言うた。

それを聞いたアタシは、両手で顔を隠した状態で泣きながら外へ出て行った。

あつろうは、相手の女性を突き放したあとアタシを追いかけて外へ出た。

ところ変わって、メルパルクの玄関前にて…

あつろうの前で、アタシは両手で顔を隠してくすんくすんと泣いていた。
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