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第1章 もう一度、ロストヴァージン

「オレ…鈍川の山奥でお前のヴァージンを奪ったあの夏の日を覚えているよ…あの時…あの時のひろこの身体の温もりが今も残っているのだよ…今も…ひろこへの思いが残っているのだよ…オレ…苦しいんだよ…ひろこのことを思うと…ひろこにはじめてキスをした時のひろこのくちびるの温もりが残っているのだよ…だからオレはずっとひろこを愛し通して行こうと決めたのだよ…」
「あつろう…」
「ひろこ…オレ…お前がダンナと結婚をした…ダンナとデキ婚をしたと聞いた時…悲しかった…どうしてオレよりもええ男を選んだのかと思うと…切なかったのだよぉ…」

あつろう…

アタシのことを…

そこまで思っていたのね…

ごめんね…

ごめんね…

あつろうの言葉を聞いたアタシは、乳房(むね)の奥がキュンとしめつけられて苦しくなったのと同時に、長い間乳房(むね)の奥で眠り続けていた女の願望が目覚めそうになっていた。

夕方４時頃のことであった。

あつろうが家を出発する前に、アタシにこう言うた。

｢ひろこ…いつでもいいから返事してくれ…オレは…お前がＯＫだという日を待っているから…｣

あつろうの言葉を聞いたアタシは、乳房（むね）の奥がさらにしめつけられて、切なくなった。