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スカーレット オーク
第19章 19 ディナー
「あの最後のもよかったです。ゲームのバトル曲ですよね」
「え。ひさ知ってるの?」

 直樹がフォークを滑らせそうになったが落とさずにうまく元に戻した。
和夫がちょうど加わって、「ああ。あれかあ。俺もやった俺もやった」 と、興奮気味に話した。

「誰も気づかないと思ったんだけどな」

 悪戯っぽい目で直樹は緋紗をみた。
小夜子が聞きつけて、「あれ、ゲームなの~?やーねー男って」すぐにぷぃっと食堂へ片付けに行った。

 片付けが終わり九時を回る頃、和夫が、「そろそろあがっていいよ。ご苦労様」と、二人に言い小夜子にも、「もう休めよ」 と、肩に手を乗せた。

「ああ眠い。お風呂入って寝るわー。じゃみんなお疲れ様」

 エプロンを脱ぎ捨てて部屋へ向かって行く。

「じゃお先です」
「お疲れさまでした」
「また明日よろしく頼むな」
「はーい」


 二人で厨房をでて静かに階段を上り部屋に戻る。

「疲れた?」
「少しだけ」

 肉体的な疲労よりも緊張感による疲れだろう。

「お風呂に入って寝よう。明日も早いからね。平気?」
「全然平気です」

 二人で浴場に向かった。

「じゃまたあとで」
「はい」

 入り口で二人は別れた。
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