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スカーレット オーク
第34章 34 女性客
演奏が終わり、軽く拍手をもらって頭を下げ、直樹が立ち去ろうとすると女性客の一人が何か話しかけた。
直樹は軽く驚いた様子だが、すぐに笑顔で答えている。――なんだろ。楽しそう……。
心配そうな顔の緋紗に、「営業スマイルよ」小夜子はフォローを入れたつもりで言った。
「そうですかあ」
間の抜けたような返答をして緋紗は片付けを始めたが、直樹はまだ何か女性と話している。
緋紗は気になってしょうがないが、気にしてない素振りで仕事に集中するよう努めた。
女性が手を振ってやっと離れた。
直樹もまんざらではなさそうだ。
むしゃくしゃするが何ともできず片付けるしかなかった。
しばらくして着替えた直樹が降りてきて手伝い始めると小夜子がすかさず、「知り合いか何か?」と、聞いた。
「ああ。中学の時の同級生。十六、七年ぶりに会ったよ。こっちは最初、誰かわからなかったけどね」
「ああ。そうなんだ。地元なのにここに泊まってくれたのね」
小夜子はへーという顔をした。
「女三人プチリフレッシュ旅だってさ」
――なんだ。同級生か……。
聞いてくれた小夜子に感謝して少し安心した緋紗だった。
直樹は軽く驚いた様子だが、すぐに笑顔で答えている。――なんだろ。楽しそう……。
心配そうな顔の緋紗に、「営業スマイルよ」小夜子はフォローを入れたつもりで言った。
「そうですかあ」
間の抜けたような返答をして緋紗は片付けを始めたが、直樹はまだ何か女性と話している。
緋紗は気になってしょうがないが、気にしてない素振りで仕事に集中するよう努めた。
女性が手を振ってやっと離れた。
直樹もまんざらではなさそうだ。
むしゃくしゃするが何ともできず片付けるしかなかった。
しばらくして着替えた直樹が降りてきて手伝い始めると小夜子がすかさず、「知り合いか何か?」と、聞いた。
「ああ。中学の時の同級生。十六、七年ぶりに会ったよ。こっちは最初、誰かわからなかったけどね」
「ああ。そうなんだ。地元なのにここに泊まってくれたのね」
小夜子はへーという顔をした。
「女三人プチリフレッシュ旅だってさ」
――なんだ。同級生か……。
聞いてくれた小夜子に感謝して少し安心した緋紗だった。