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スカーレット オーク
第39章 39 赤いドレス
 風呂に入るとすっかりアルコールが抜けたようでさっぱりし、上がってこない緋紗を座って待った。――緋紗は相当飲んでたのかな。

 さっきの緋紗はメイクと赤いドレスで大人の女にみえた。
違う女を抱くようで直樹は少し興奮したが今までのとなんとなく違う感じもしていた。
ガラッと音がしてすっかり化粧が取れた緋紗が出てくる。――こっちのほうが緋紗らしいな。
 恥ずかしそうに緋紗が近づいてきた。

「風呂で溺れなかった?」
「はい」
「もう遅くなるからあがろう」

 暖炉に寄らずにすぐに部屋に戻ると緋紗が何か言いたげにもじもじしている。

「どうかした?気分でも悪い?」
「あの。直樹さん。同窓会行くんですか?」
「え。一応行くつもりだよ」

 緋紗はうつむいて拗ねているような様子だ。

「さっきから変だね」
「明日帰ったらもう会えない気がして……」
「会いに行くよ」
「近くの人のほうが良くなるかもしれないじゃないですか」

 風呂に入る前にせっかちに寝たがった理由には理解ができなかったが、緋紗の焼きもちらしい気持ちにやっと気づいた。
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