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スカーレット オーク
第3章 3 岐路
 ボディーソープを多めに使って全身をくまなく洗う。
鏡で顔を見ると化粧はほとんどとれていてチークだけが残っているように頬が紅い。
髪も顔もざぶざぶ洗って最後にもう一度手を洗った。
すっきりしてバスローブを羽織って出ると大友はくつろいでスケジュール帳を眺めていた。

「やあ。さっぱりしたかな。僕も浴びてくるよ。ランドリーサービスを頼むけど君はどうする?」
「私はいいです。」
「そう。じゃくつろいでいて。」
  ――くつろぐ……。
 とりあえずダブルベッドに腰かけた。

 シャワーの音が少し聞こえて緋紗はこれからのことを思うと緊張と興奮で胸がいっぱいになる。
カチャと音がして同じバスローブを着た大友がでてきた。

 緋紗の胸が高鳴る。
大友が隣に腰かけ緋紗の手を取り指先の匂いを嗅ごうとした。――あ。
 思わず手を引く。

「いやだった?」
「いえ。あの。手は特に自信がなくて……」
 肩を優しく抱かれてベッドに寝かされ、バスローブの紐を解かれる。
「あ、あのスミマセン。電気を暗くしてもらえますか」
 半裸になってから緋紗は気が付いて頼んだ。
くすっと笑って大友は照明をぼんやり見える程度に落とし、そして緋紗の眼鏡をとった。

 気づくとバスローブもすっかり脱がされてしまい、自分から頼んでここまで着いてきておきながら緋紗は手で上半身を固く守ってしまっている。
大友は無表情で彼女の両手首をつかみ万歳させるように上へ押し付けた。
「やめたい?」
 静かに聞く。
「いいえ」
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