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スカーレット オーク
第43章 43 成型
今日はタタラ成形で五寸角皿を作る。
三kg程度の黒っぽい粘土の塊を練り、五、五寸くらいの角柱を作る。
それをタタラ板という長細い板を使って同じ厚みに粘土をスライスし、その粘土の板をコンパネに広げて水分量を調節し、良い硬さになってから、いよいよ皿へ成形だ。
冬の粘土は冷たくて指先が動きづらくなってくるので緋紗は手をこすり合わせて温めた。
「先生。型紙これでいいんでしたっけ?」
師の松尾はロクロで八寸ほどの皿を挽いていた。
松尾のロクロの巧みさにいつ見てもため息が出る。
ペンションで和夫と小夜子にロクロをとても感心されたことが恥ずかしくなるような圧倒的な技術差があった。――いつかこのレベルに達する日がくるんだろうか……。
松尾は元々器用らしいがそれに輪をかけて無駄のない動きで、どう頑張っても緋紗には届かないようなレベルにみえる。
「それでええ。二百枚作っとけ」
タタラ成形にも、もちろん技術が必要で弟子入り始めたころはひどい成形具合だった。
今ではなんとか合格をもらえて成型を任されているがまだまだ怪しいものだ。――もう少し器用ならなあ。
緋紗は恨めしく自分の手をみる。
三kg程度の黒っぽい粘土の塊を練り、五、五寸くらいの角柱を作る。
それをタタラ板という長細い板を使って同じ厚みに粘土をスライスし、その粘土の板をコンパネに広げて水分量を調節し、良い硬さになってから、いよいよ皿へ成形だ。
冬の粘土は冷たくて指先が動きづらくなってくるので緋紗は手をこすり合わせて温めた。
「先生。型紙これでいいんでしたっけ?」
師の松尾はロクロで八寸ほどの皿を挽いていた。
松尾のロクロの巧みさにいつ見てもため息が出る。
ペンションで和夫と小夜子にロクロをとても感心されたことが恥ずかしくなるような圧倒的な技術差があった。――いつかこのレベルに達する日がくるんだろうか……。
松尾は元々器用らしいがそれに輪をかけて無駄のない動きで、どう頑張っても緋紗には届かないようなレベルにみえる。
「それでええ。二百枚作っとけ」
タタラ成形にも、もちろん技術が必要で弟子入り始めたころはひどい成形具合だった。
今ではなんとか合格をもらえて成型を任されているがまだまだ怪しいものだ。――もう少し器用ならなあ。
緋紗は恨めしく自分の手をみる。