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スカーレット オーク
第4章 4 翌朝
緋紗が目を開けると目の前に大友の眼鏡が外されたあっさりした寝顔があった。
夜の行為を思い出し顔を赤らめ、そしていつの間にか手首の紐がないことに気付いた。――ちょっと赤くなってる。
眼鏡をかけて時計を見るとまだ六時だ。
初めて会った男と欲望を発散するだけの目的でここに来たことに後悔はない。
だけどこの深い森のような香りは今日限りで終わりだ。
少し寂しさを感じたが、好きになったわけでもまして愛しているわけでもないので悲しく思うことはなかった。
静かに向きを変えてテーブルを見るとコンビニの袋があり、緋紗の買い物がまだそのまま入ってある。
テーブルの下に転がったコンドームの空き箱見てまた安心した。
身体をそっと起こそうとすると目が覚めた大友に後ろから肩を抱かれて引っ張られる。
「おはよう。早起きだね」
大友は眼鏡をかけ、胸に抱いた緋紗を見る。
「昨日はごめん」
唐突に謝る大友に緋紗は少し悲しい気持ちになった。
「後悔してるんですか?」
「いや」
緋紗の手首を見つめて言う。
「実はもう何年もこういうことがなかったから、がっついてしまったよ。苦しくなかった?」
「いえ……」
慣れていそうな行為で緋紗の欲望を昇華してしまった大友に今のセリフは全くそぐわない気がする。――変な人。
こっそりくすりと笑った。
「おなかすかない?もう朝食が食べられるよ」
「おなか空きました」
「シャワーを浴びるなら待ってるよ」
「ああ。お先にどうぞ」
「僕は寝る前に浴びたからいいよ」
緋紗は寝てしまった後にもちろん何があったか知らない。――すごい。余裕があるんだ……
夜の行為を思い出し顔を赤らめ、そしていつの間にか手首の紐がないことに気付いた。――ちょっと赤くなってる。
眼鏡をかけて時計を見るとまだ六時だ。
初めて会った男と欲望を発散するだけの目的でここに来たことに後悔はない。
だけどこの深い森のような香りは今日限りで終わりだ。
少し寂しさを感じたが、好きになったわけでもまして愛しているわけでもないので悲しく思うことはなかった。
静かに向きを変えてテーブルを見るとコンビニの袋があり、緋紗の買い物がまだそのまま入ってある。
テーブルの下に転がったコンドームの空き箱見てまた安心した。
身体をそっと起こそうとすると目が覚めた大友に後ろから肩を抱かれて引っ張られる。
「おはよう。早起きだね」
大友は眼鏡をかけ、胸に抱いた緋紗を見る。
「昨日はごめん」
唐突に謝る大友に緋紗は少し悲しい気持ちになった。
「後悔してるんですか?」
「いや」
緋紗の手首を見つめて言う。
「実はもう何年もこういうことがなかったから、がっついてしまったよ。苦しくなかった?」
「いえ……」
慣れていそうな行為で緋紗の欲望を昇華してしまった大友に今のセリフは全くそぐわない気がする。――変な人。
こっそりくすりと笑った。
「おなかすかない?もう朝食が食べられるよ」
「おなか空きました」
「シャワーを浴びるなら待ってるよ」
「ああ。お先にどうぞ」
「僕は寝る前に浴びたからいいよ」
緋紗は寝てしまった後にもちろん何があったか知らない。――すごい。余裕があるんだ……