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スカーレット オーク
第48章 48 窯焚き
薪が燃え尽きそうになると、「前行きまーす」と、緋紗は反対側の鈴木と谷口に声をかけた。
そして燃やしている短くなった薪を窯の中に落とし、燃え盛る窯の中でへ五本くらい新しい薪を投げ入れた。
「次やってみます?」
「うん。熱そうだね」
「素早くやらないと火がついちゃいますからね」
緋紗は真剣な顔で言い、
「谷口君は昔、軍手に火がついて大慌てしたことがありますよ」
と、笑った。
「気を付けるよ」
直樹も要領を得て窯を焚いた。
緋紗が言うように火の色を見て燃える音を聞く。
作業的には単調だが不思議と飽きはこなかった。
木を燃やす行為は直樹にとって相反するような作業だが、これによって新しい何かが始まって、また木を育てる一連の流れが見えるような気がする。
自分と緋紗が連続した流れの中に繋がっているような気すらする。
言葉にならない興奮と鎮静、創造と破壊、意識と無意識など二極性のものが溶けて交わるのを感じた。
そうやって真夜中まで横焚きは続いて最後の焚口を焚き終えた。
そして燃やしている短くなった薪を窯の中に落とし、燃え盛る窯の中でへ五本くらい新しい薪を投げ入れた。
「次やってみます?」
「うん。熱そうだね」
「素早くやらないと火がついちゃいますからね」
緋紗は真剣な顔で言い、
「谷口君は昔、軍手に火がついて大慌てしたことがありますよ」
と、笑った。
「気を付けるよ」
直樹も要領を得て窯を焚いた。
緋紗が言うように火の色を見て燃える音を聞く。
作業的には単調だが不思議と飽きはこなかった。
木を燃やす行為は直樹にとって相反するような作業だが、これによって新しい何かが始まって、また木を育てる一連の流れが見えるような気がする。
自分と緋紗が連続した流れの中に繋がっているような気すらする。
言葉にならない興奮と鎮静、創造と破壊、意識と無意識など二極性のものが溶けて交わるのを感じた。
そうやって真夜中まで横焚きは続いて最後の焚口を焚き終えた。